2010年04月01日

NYT社がシンガポール首相らに謝罪 合意違反の記事掲載で1千万円支払い(産経新聞)

 【ニューヨーク=松尾理也】米ニューヨーク・タイムズ社は24日、同社の傘下にある国際紙インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙に掲載されたシンガポールのリー・シェンロン首相らをめぐる記事に問題があったとして、同首相や、父親のリー・クアンユー同国元首相らに謝罪したことを明らかにした。ロイター通信によると、同社は16万シンガポールドル(約1千万円)を支払うという。

 問題になったのは、インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙に定期的に寄稿している評論家フィリップ・ボウリング氏が執筆した2月15日付の記事。謝罪文によると、ボウリング氏は1994年、シンガポール政府との間で、シェンロン氏が首相の地位を得たのは父親のクアンユー氏の縁故によるものであると書いたり、ほのめかしたりしないとの合意を行っていた。にもかかわらず、インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙記事は「シェンロン氏が実力で首相の地位を得たのではないと推測させるような内容を含んでいた」とした上で、「そうした推測は本意ではなく」、シェンロン氏やクアンユー氏に謝罪する、としている。

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2010年03月31日

中国毒ギョーザ 天洋食品元従業員を逮捕 待遇に不満か(毎日新聞)

 【北京・浦松丈二】中国製冷凍ギョーザによる中毒事件で、中国国営・新華社通信は26日夜、中国警察当局が製造元の天洋食品(河北省石家荘市)の元臨時従業員、呂月庭容疑者(36)=同省=を逮捕したと報じた。08年1月の発覚から2年余り。日中両国の国民感情の対立に発展した同事件は解決に向けて大きく動き出した。

【分かりやすく図やチャートで解説】図説:中国製冷凍ギョーザ中毒事件(2008年2月)

 中国政府は27日未明までに、外交ルートを通じ日本政府に「容疑者の男を特定した」と伝えたという。

 調べによると、呂容疑者は給料などの待遇や特定の従業員への不満を募らせ、気を晴らすために製品のギョーザに毒物を混入した疑い。呂容疑者は容疑を認めているという。また、警察当局は混入に使われた注射器を押収し、周囲の証言を得ていたとしている。

 新華社通信は、中国警察当局の特別捜査チームが「発生から時間が経過し、物証が少ないなどの困難を克服し、ねばり強く、入念な捜査を続けて事件を解決した」と捜査を評価した。

 関係者によると、中国警察当局は、何者かが工場内の段ボールの外側から注射器で農薬成分メタミドホスを混入したとの見方を強め、北京の研究所で裏付け実験を進めてきた。

 ◇工場内で混入で中国公安当局が捜査進める

 事件は07年12月〜08年1月、天洋食品製の冷凍ギョーザを食べた千葉県と兵庫県の3家族計10人が嘔吐(おうと)や下痢の症状を訴え、9人が入院、千葉県の5歳の女児が一時重体となった。回収品から有機リン系殺虫剤メタミドホスが検出された。

 日本側による製品の包装、梱包(こんぽう)、流通過程の調査結果や、天洋食品が中国国内で再配布した回収製品で中毒事件が起きたことなどから、中国国内での混入が濃厚とみられたが、中国政府は当初、「捜査中」とするのみで、両政府の意思疎通の不足が両国民の不信感を招いた。

 一方で中国公安当局は再現実験などから工場の冷凍庫に保管された製品に段ボールの外側から何者かが注射器で殺虫剤を注入させた可能性が高いとみて、工場の複数の従業員を長期間拘束するなど、事実上、工場内での混入に絞り、詰めの捜査を進めていた。

 事件は日本国内で食品の安全に対する不信を招き、日中両政府は食の安全に関する閣僚級定期協議の開催など再発防止策を検討している。

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2010年03月30日

<法勝寺>八角九重塔 時を超え広がるロマン /京都(毎日新聞)

 白河天皇が建立した法勝寺(ほっしょうじ)の八角九重塔は、現存の木造塔で日本一の高さを誇る東寺の五重塔(55メートル)をはるかにしのぎ、27丈(約81メートル)あったとされる。市がその塔の基礎の一部を京都市動物園(左京区)の敷地内で初めて確認。5月から本格的な調査に乗り出す。文献でしかうかがい知ることができなかった巨大な塔の実像にどこまで迫ることができるのか。1000年近くの時を経た歴史のロマンが広がる。【山本直】

 市文化財保護課は昨年12月〜今年2月、動物園のリニューアル工事に伴い、園内に28本のトレンチ(試掘溝)を入れた。そのうち撤去された猛獣舎の北側部分の6本が、塔の基壇下を地盤改良した「基礎」を掘り当てた。

 検出したのは70センチ大の大量の石を深さ2メートルほどの深さまで埋め込み、粘土で固めた土台2辺。角の部分の角度などから1辺12・5メートルの8角形で、塔の中心は現在の観覧車付近と推定され、81メートルという高さにふさわしい規模と分かった。

 そもそも動物園は法勝寺の南半分に当たり、第2次大戦以前、塔跡の推定地は園内に残っていた。明治時代の園内見取り図では、その地点が“小山”になっており、休憩所として東屋が建っていた様子がうかがえるし、その写真もある。だが、終戦後の進駐軍の接収に合わせて小山は削られ、跡地の位置は不明に。今回の発見で、塔の位置自体も約60年ぶりに判明したことになる。

 また、試掘では、塔があった中島や池の跡も見つかり、中島の水際が複雑な曲線を描き、庭石や河原石で丁寧に化粧されていた可能性の高いことが判明。壮麗な造りの一端が明らかになった。

 かつてあったとされる日本の木造巨大建築では、推定100メートルもある東大寺(奈良県)の東西二つの七重塔や、高さ96メートルの出雲大社本殿(島根県)などが知られている。八角九重塔について市文化財保存課は「現存する木造建築物にはない規模だったことが裏付けられた」としている。

 市は今後、塔の基礎部分を含めて面的に発掘調査を進め「現地説明会も開きたい」(文化財保護課)意向。動物園の整備については設計変更を実施し、施設の配置を見直したり、地下にくいを深く打ち込まないですむ工法を採用したりして遺構の保存に努める考えだ。

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 ◇法勝寺

 旧白河殿の庭園だった土地を利用して造営され、平安時代後期の承暦元(1077)年、盛大な落慶法要が営まれた。金堂や講堂、五大堂、阿弥陀堂など多数の堂宇が建ち並び、慈円が「愚管抄」の中で「国王の氏寺」と呼んだ。中でも威容を誇ったのが八角九重塔。1081年に計画され建造に3年かかったとされる。その後焼失し、再建された。だが、寺自体が中世の動乱期に衰退し、応仁の乱後に廃絶した。

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